まずは、お店のまわりの話から投稿を1本つくります。必要なのは、場所、そこで見かける場面、店の案内。この3つです。上手な売り文句を考える前に、いつも見ている景色を言葉にしてみましょう。
この講座では「書けた」で終わらず、その投稿を読んだ人がお店を知るところまで整えます。最初の下書きは、後の章で何度でも書き直せます。
店の近くの場所を、一つ選ぶ
駅、坂、商店街、公園、バス停。自分が実際に通る場所を一つ選びます。「県内の人」ではなく、その道を使う人の景色を思い浮かべると、文章が具体的になります。迷ったら、今日店に来るまでに見た場所から選んでください。
そこで起きていることを書く
朝は自転車を押して歩く人が多い。雨の日は屋根の下で傘をたたむ。見たことを一文にします。地域全体の特徴に広げず、自分が見た範囲で書けば、身近な題材を安心して使えます。
店の案内を、一つだけ添える
場面とつながる案内を選びます。通勤の話なら朝の利用、帰り道の話なら持ち帰り。場所・営業時間・予約方法を全部詰め込まず、この投稿で伝えたい一つを決めます。細かな利用情報は、第5章でプロフィールにまとめます。
言葉と写真で、行きたい理由をつくる。
CHIERO制作の架空例です。地名は実在しますが、店・商品・出来事・営業条件は練習用の設定です。
本日もパンを焼いています。ご来店お待ちしています。
大濠公園を一周したら、朝ごはんは六本松へ。 焼きたてのあんバターを割ると、真ん中のバターがじわっと溶けます。 福岡・六本松の小さなパン屋です。 散歩の帰りに、今日の朝ごはんを選んでいきませんか。 店の外観と道順は、写真の最後に載せています。
場所だけでなく「散歩の帰り」という行く場面を指定。あんバターの動きが食べる楽しみを作る。最後は写真の道順へつなぐ。
この原稿に添える写真・動画
あんバターを割った断面。バターが溶ける瞬間を窓際で撮る。
紙袋とパンを持つ手元。朝の外光で撮る。
店の外観。入口と目印が同時にわかる距離から撮る。
この型に入れてみる。
【場所】で、【よく見る場面】。 【それに対する、自分のひとこと】。 【場面につながる店の案内】。
店の思いを、見たくなる商品へつなぐ

- 本文で語っている店の積み重ねは何ですか。
- 一枚目の動画と、次の商品写真は何を見せていますか。
- あなたの店なら、何の仕事と完成品を組にしますか。
見方と解答例を開く
本文は続けてきた仕事を伝え、映像は手元と商品を見せています。パン屋なら生地を丸める手元と焼き上がり、花屋なら束ねる手元と花束。自店にある作業と完成品を組にしましょう。
仕事を伝える一文+完成品を伝える一文+撮る一枚
お客さんが過ごす場面を、最初の一文にする
まず、お店の前を通る人が何をしているかを観察します。朝の通勤、昼休み、保育園へのお迎え、休日の散歩。店主にとって同じ道路でも、通る人の目的は違います。「地域の皆さまへ」を、その人が思い浮かぶ一文に変えてみましょう。
たとえば「駅へ急ぐ朝、朝食を買いそびれた人へ」。この書き出しを使うなら、実際に朝から買える商品と営業時間が必要です。読んだ人の一日と、お店が提供できることが重なる場所を見つけるのが、この練習の目的です。
写真と文章で、一つの場面を伝える
写真を添えるときは、一枚に役割を一つ決めます。パンなら焼き色や断面、カフェなら一人で座れる席、ホテルなら部屋で過ごす時間が想像できる景色。文章で説明した内容を、写真でも確かめられるように選びます。
撮影のために新しい設備を買う前に、手元の写真を見直してください。営業中と違う明るさや広さに見せる加工は避けます。人が写る場合は掲載の了解を取り、他のお店や宿の写真を自店の写真として使わないようにします。
地名・写真・一文目を一緒に決める
地名は、読者が自分の生活にある店かを判断する入口です。県名だけでなく、駅・町・通り・散歩の帰りなど、実際に使う言葉へ近づけます。
写真の一枚目には、本文で一番見てほしいものを置きます。料理なら断面や湯気、宿なら窓の先と座る場所、店主の話なら手元や仕事の様子。二枚目で詳しく見せ、最後に外観や道順を置く方法も試せます。
書き出しを読んだ直後に写真を見ると、同じ話が続いているか。そこまで含めて一つの投稿として整えます。
業種を変えると、こう書ける。
カフェ
薬院で、プリンのために寄り道する午後を。 スプーンを入れると、むっちり。カラメルは、甘いだけで終わらないほろ苦さに。 窓際にコーヒーを置いたら、今日のおやつの準備はできました。 お買い物の帰り、一息ついていきませんか。
地名→食感→座った場面→寄り道の提案。「おいしい」を食べる前に想像できる言葉へ変える。
この原稿に添える写真・動画
プリンにスプーンを入れた瞬間を横から。
窓際のプリンとコーヒー。席に座った高さから。
店の外観と入口。
ホテル
由布院で、何もしない予定を入れませんか。 窓の先は由布岳。読みかけの本と、湯上がりの冷たいお茶。 観光を詰め込まない午後のために、窓辺に椅子を二つ置きました。 部屋で過ごす休日の写真を、並べてみます。
地名に加えて、泊まった後の時間を提示。設備の羅列より先に旅の目的を作る。
この原稿に添える写真・動画
椅子と窓の先を一緒に撮る。
椅子の隣に本とお茶。
夕方の同じ窓辺。光の変化を見せる。
食堂
高円寺で、夕飯を作る元気が残っていない日に。 今日は生姜焼きです。肉を焼いたフライパンに、たれを入れる音がしたら、もうすぐ出来上がり。 ごはんと味噌汁をつけてお待ちしています。 一日の最後の仕事は、ここで箸を持つだけにしませんか。
生活の困りごとと、店が渡す小さな解放感を組にする。読者にしてほしい行動が自然に見える。
この原稿に添える写真・動画
たれを入れた瞬間の短い動画。
定食全体を座った目線で。
一人でも座る場所がわかる店内。
一文目を変えて、見せ方を選ぶ。
同じお店でも、場所・写真・使う場面から書き始められます。添える写真に合う一文を選びます。
大濠公園を一周したら、朝ごはんは六本松へ。
散歩帰りの人へ。公園の写真より、食べるパンを一枚目に。
割った瞬間、バターがとける。六本松の朝ごはんです。
断面の写真と組にして、温かさを想像してもらう。
散歩した朝は、あんバターを一つ買って帰ろう。
朝の小さな楽しみを提案。次の文に福岡・六本松を添える。
三つの情報を、一本の投稿にする
架空のカフェは、公園の向かいにあり、午前中はテイクアウトを提供しています。現在の原稿は「おいしいコーヒーあります。お待ちしています」。
公園で過ごす人が自分のことだと思える書き出しに直してください。提供していないサービスは足さないでください。
解答例と考え方を見る
公園をひと回りした朝、帰り道にコーヒーを。向かいの当店では午前中、テイクアウトをご用意しています。散歩の締めくくりにどうぞ。 「誰の、いつの場面か」を追加し、商品の受け取り方を明示しました。
ワークの完成例を見る。
架空のパン屋の記入例です。数値も練習用の設定です。
この章の記入例を開く
場所
福岡・六本松。大濠公園を散歩した後に立ち寄るパン屋。
そこで起こること
散歩帰りの朝ごはんに、焼きたてのあんバターを選ぶ。割った断面と、バターが溶けるところを写真で見せる。
店の案内
店の外観と道順を最後の写真に。その日の営業時間はプロフィールの「本日の案内」にまとめる。
つなげた下書き
大濠公園を一周したら、朝ごはんは六本松へ。 焼きたてのあんバターを割ると、真ん中のバターがじわっと溶けます。 福岡・六本松の小さなパン屋です。 散歩の帰りに、今日の朝ごはんを選んでいきませんか。 店の外観と道順は、写真の最後に載せています。
さらに試してみる。
- 場所の候補を三つ書き、店に立ち寄る前後の行動を一つずつ添える。その中から今日の一本に使う組み合わせを選ぶ。
- 「営業しています」の原稿に、商品の具体的な見どころを一つ加える。断面・湯気・手触りなど、実際に撮れる特徴を使う。
- 下書きと候補写真を横に並べる。文章だけに登場するもの、写真だけに写るものを確かめ、同じ主役になるよう直す。